2026年現在、印刷業界は原材料費の高騰と加速する「紙離れ」という深刻なダブルパンチに直面しています。日本銀行の企業物価指数によれば、パルプ・紙・同製品の価格は2020年比で約29%上昇していますが 、現場ではエネルギー費や物流費の転嫁により、実質的なコスト負担が1.5倍近くに達するケースも珍しくありません。
新型コロナウイルスの流行をきっかけに定着したテレワークや業務のペーパーレス化により、紙の需要は減少の一途をたどっています。こうした状況下で生き残るためには、従来の印刷ビジネスに依存しない新しいスタイルが不可欠です。
そこで注目されているのが、「紙+デジタルブック」を組み合わせたハイブリッド戦略です。本記事では、最新の統計データから紙の需要・価格動向を読み解くとともに、コスト削減と付加価値向上を同時に実現している印刷業界の最前線の活用事例をご紹介します。
1. 印刷業界の現状

近年起こっている印刷コストの高騰と消費者の紙離れは、印刷業界に大きな影響を与えています。
印刷業の事業者が抱える悩みの種といえる紙の需要の減少。
日本製紙連合会によると、国内における紙・板紙の需要は2008年までは3,000万トン台で推移していたものの、リーマン・ショック後の2009年から大きく減少しています。
印刷・情報用紙に関しては、2010年の国内需要は約990万トンでしたが、2020年では630万トンと、10年間で300万トン以上減っています。
ここでは、紙の需要が減っている理由と今後の需要・価格について見ていきましょう。
印刷コストが高騰している
印刷用紙やコピー用紙などの印刷・情報用紙の価格は年々上昇しています 。日本銀行の「企業物価指数」を参照すると、パルプ・紙の指数は2020年を100とした場合、2026年1月時点で129.0に達しており、過去5年間で約30%もの大幅な価格上昇を記録しています。
さらに、2026年2月には製紙大手各社が物流費や人件費の転嫁を目的としたさらなる値上げを実施。これらの改定を累計すると、実質的な調達コストは5年前と比較して約40%〜50%増(1.5倍近い水準)に達しており、印刷業界にとってかつてないコスト圧力となっています(※日本銀行の企業物価指数 2026年1月速報による約29%の上昇に、2026年2月実施の各社価格改定10〜15%増、およびエネルギー・物流費増を加味した算出)。
印刷コストが高騰している主な原因には、以下の3つの要素が複雑に絡み合っています。
- 物流コストの増大と「2024年問題」の本格化
トラックドライバーの残業規制強化に伴う「物流2024年問題」の余波が、2026年現在、配送費の本格的な転嫁として現れています。用紙だけでなく、インクや梱包資材の輸送コストも上昇しており、サプライチェーン全体でのコスト増が続いています。 - 歴史的な円安の継続と労務費の上昇
輸入パルプや原燃料を外貨で購入する際のコストが、円安によって高止まりしています。また、深刻な人手不足に伴う人件費の上昇や、過去最大級の引き上げが続く最低賃金の影響により、製紙・印刷工程のあらゆる場面で労務費の負担が増大しています。 - エネルギー価格の高止まりと環境投資
製紙工程で大量に消費される電力コストは、ウクライナ情勢以降のエネルギー動向を受けて高い水準で定着しています。加えて、脱炭素社会の実現に向けた環境対応コストも、製品価格を底上げする要因の一つとなっています。中小企業庁の「中小企業白書」でも指摘されている通り、原油・原材料価格の高騰は数年来の課題となっていますが、2026年現在はそこに物流費と円安がさらに重なる形となっています。
(根拠:日本銀行「企業物価指数」、厚生労働省「最低賃金改定状況」、および製紙各社の2026年2月期価格改定プレスリリースに基づく)

印刷会社への影響
原燃料価格とともに物流コストも高騰し、各製紙会社は原材料の高騰にともなう価格上昇をせざるを得なくなっているのが現状です。印刷用紙だけでなく、配送に使用する段ボールやインクなどの価格も高騰しており、それに伴って印刷会社も印刷費を値上げせざるを得なくなっています。
紙離れが起こっている
新型コロナウイルス感染症拡大にともない、働き方改革としてテレワークを導入した企業が増加。
各企業では、従来は紙で作成していた資料などをデジタル化することによってオンライン上で共有する取り組みを実施しました。
印紙代や管理コストの軽減を目的に業務のペーパーレス化が加速している点も、紙の需要が減少している要因といえます。
2. 今後、紙の需要や価格はどうなる?

印刷コストの高騰に加えて、ペーパーレス化による紙離れが起こっている現在。
印刷コストを削減したい顧客に対して、印刷会社が提案の幅を広げる方法の1つとして、デジタルブックの導入が挙げられます。
3. 印刷とデジタルブックの併用でこれからの需要に対応

今後の紙の需要や価格の変化に対応するためにも、印刷とデジタルブックの併用は有効な手段です。
近年開催された「page2024」やその後の業界イベントでも、デジタルブックの導入検討のために来場する印刷会社が急増しています。
デジタルブックとは、Webサイト上でカタログ、チラシ、冊子といった印刷物をデジタル公開できるもので、eBookや電子ブック、デジタルカタログとも呼ばれています。
パソコンやスマートフォン、タブレットなどの端末で実物の印刷物のようにページをめくって閲覧できます。
印刷会社がデジタルブックサービスの利用で得られるメリットを、弊社が提供しているWisebookを例に見ていきましょう。
PDFひとつで簡単にデジタルブック化

PDFをブラウザにドラッグ&ドロップしてアップロードボタンをクリックするだけで、簡単にデジタルブックを作成できます。
デジタルブックは、専門的な知識がなくても簡単に作成できる点が特徴で、作成したものはWebサイトに埋め込むかユーザーにURLを共有すれば、素早く公開できます。
弊社が提供しているWisebookでは、操作方法を詳細に解説したマニュアルをご用意しているため、初めて利用する方でも安心して作業効率アップを図ることが可能です。
リンク設定、動画挿入などでデジタルならではの機能を追加

デジタルブックでは、リンク設定や動画挿入などデジタルならではの機能を簡単に追加できます。
印刷物の場合、印刷後の修正には刷り直しや資料を再送するなどの手間がかかりますが、デジタルブックだと、公開後でも資料を差し替えることで内容の修正が可能です。
ファイルの一部を修正すれば、公開している資料の内容へ即座に反映できます。
パソコンやスマートフォンから便利に見られるコンテンツを制作できる点や、誰でも簡単に修正できる点もデジタルブックが持つ魅力のひとつです。
ダウンロード機能でデータ納品
デジタルブックは、Webで公開できるほか、ローカルで閲覧できるパッケージファイル化も可能なためデータ納品が可能です。
依頼者の要望次第でWeb公開用とローカル閲覧用を切り替えて柔軟に対応できるのがデジタルブックです。
4. 印刷コストの高騰と需要の変化に対応するならデジタルブック

この記事では、印刷コストが高騰している理由や需要の変化について解説しました。
大手製紙会社も紙の値上げをおこなっている現在、仕入れる紙の値上げに頭を抱える印刷業の事業者も少なくありません。
印刷コストの高騰に加えて紙離れの影響もあり、紙の需要は年々減少傾向にあります。
そこで、印刷とデジタルブックを併用する方法がおすすめです。
Wisebookなら、初めてデジタルブックを導入する方でも簡単に作成・編集でき、Web上で公開できます。
デジタル化の普及に対応し、従来の紙による印刷に加えてデジタルブックの導入もぜひご検討ください。
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