6月1日、法律が変わります
─職場の熱中症対策は“努力義務”から“法的義務”へ─
2024年6月1日、労働安全衛生規則が改正され、「職場における熱中症対策」が正式に法令で義務化されました。これにより、事業者は「暑熱環境下で働くすべての労働者」に対し、具体的な熱中症予防措置を講じなければなりません。
近年、夏の異常高温が常態化しており、建設現場や倉庫、配送業、工場など、あらゆる職場で熱中症リスクが高まっています。
2023年だけで1万人を超える労働者が熱中症で救急搬送されている状況を鑑み、厚生労働省は「予防対策の明文化」が急務と判断し、規則の改正に至りました。
熱中症の初期症状は、めまい・頭痛・吐き気・脱力感。多くの人が「気のせい」と見過ごしがちですが、放置すれば意識障害や命に関わるケースもあります。
万が一の時も適切に対処できる環境づくりのため、事業者は熱中症予防措置の手順を作成し、関係者に周知徹底する必要があります。紙資料や口頭での説明だけでは不十分な場合は、アプリ・ポータルサイト・デジタルブックなどを利用し、スマホやタブレットでいつでも確認できる環境を整えることも重要です。
今回の労働安全衛生規則の改定について※2
基本的な考え方
現場における対応
基本的な上記考え方に則り、現場の実態に即した具体的な対策を講じる必要があります。
熱中症のおそれのある労働者を早期に見つけ、その状況に応じ、迅速かつ適切に対処することにより、熱中症の重篤化を防止するため、以下の「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられます。
「熱中症の自覚症状がある作業者」や「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」がその旨を報告するための体制整備及び関係作業者への周知。
熱中症のおそれがある労働者を把握した場合に迅速かつ的確な判断が可能となるよう、
①事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先及び所在地等
②作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等熱中症に夜重篤化を防止するために必要な措置の実施手順の作成及び関係作業者への周知
※2:出典:厚生労働省「職場における熱中症予防対策」より一部引用(https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf)掲載している図表・イラストは、原資料の趣旨を損なわない範囲で自社にて視覚的に再制作しています。
デジタルブックで“確実・スマート”に
熱中症対策の社内周知を
義務化された「職場における熱中症対策」により、WBGT(暑さ指数)28℃以上の環境で一定時間以上作業を行う事業者には、報告体制の整備・対応手順の策定・作業者への周知が求められるようになります。
これらの対策を単に“実施する”だけではなく、「いかに分かりやすく・確実に現場へ伝えるか」が安全管理の鍵となります。
そこで注目できるのが、デジタルブックを活用した社内周知の手法です。
デジタルブックを利用した周知のメリット
①QRコードやメール添付したURL、チャットツールで簡単に周知
従来の紙のマニュアルや掲示物では、「見つけにくい・すぐに手元にない」といった課題がありました。デジタルブックであれば、スマホ・PC・タブレットからいつでもどこでもアクセス可能。作業前の確認や朝礼での活用にも最適です。
②写真・図解・動画を使ってわかりやすいコンテンツに
直感的な表現が可能で、「理解させる」伝達ができます。熱中症の初期症状や対応フローなど、視覚的に伝えたい情報に特に有効です。
③最新情報を即時反映
ガイドラインの変更があった場合も、改訂版をすぐ反映して差し替え。情報の陳腐化や誤認を防ぐことができます。
④閲覧率・活用状況を可視化
ヒートマップやグーグルアナリティクスを利用し、閲覧状況から周知状況を調べることができます。
⑤周知した対策の浸透度をチェック
デジタルブックにアンケートフォームへのリンクを設置。理解できたか、現場で活かせたかなど、現場の声を反映して内容を随時アップデートしていくことができます。
熱中症対策の周知は「義務化」された今、他人事ではない
労働者が熱中症の兆候を訴えた場合の対応が明文化されていない、現場での報告体制が不明確──そうした状況は、法令違反となり罰則の対象にもなります(6か月以下の懲役または50万円以下の罰金)。
だからこそ、「情報を整備して終わり」ではなく、“確実に伝わる方法”で全員に届けることが不可欠です。
まとめ:安全とコンプライアンスの両立を、デジタルでスマートに
デジタルブックは、熱中症対策を形骸化させず、「使われる安全対策」として定着させる有力な手段です。
もしまだ紙や口頭中心の周知にとどまっているなら、この機会にぜひ「見せ方・伝え方」のデジタル化をご検討ください。
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